ストレスが花粉症の原因?
ストレスは自律神経を狂わせたり、免疫のバランスを崩したりすると言われています。免疫のバランスが崩れると、ちょっとの花粉に対しても過剰に反応してしまう場合があります。
そのため花粉症が悪化すれば、さらにそのストレスで花粉症が悪化してしまうという悪循環に陥ってしまいます。日頃から、趣味やスポーツでストレスを発散するよう心がけましょう。
人間は強いストレスを受けたり、たとえ軽いストレスでも、それを継続して長い間受けたりすることによって、ストレスに対抗するためにストレスホルモン(副腎皮質ホルモン)を出します。
このホルモンはストレスに対抗するために出されており、生理的なもので決して悪いものではないですが、長期にわたって続いてしまうと数々の問題が出てきます。
ストレスホルモンは別名ステロイドとも言われるものです。花粉症の点鼻薬・点眼薬、アトピー性皮膚炎の外用薬、喘息の吸入薬として使用される薬剤です。
特にステロイド外用薬や、内服薬を長い間使うと副作用が出ることは有名ですね。そしてストレスホルモンの場合にも同じことが起こるのです。
つまり、ストレスによって免疫力が低下します。そのため、花粉症等のアレルギー症状が発症しやすくなる原因となります。
すでに花粉症の症状でストレスが溜まっているのに、さらに症状が悪化してしまい、それがさらなるストレスとなり、さらに花粉症を悪化させてしまう悪循環に陥ってしまうのです。
自律神経
自律神経には交感神経と副交感神経があり、簡単に言うと、緊張すると働くのが交感神経で、リラックスしていると働くのが副交感神経です。
交感神経と副交感神経という正反対のはたらきをする2つの神経から成り立って、2つがバランスよくはたらくことで、健康を維持しています。
この緊張とリラックスで、私たちの身体はコントロールされているのですが、うまくコントロールされず交感神経や副交感神経が異常亢進すると、身体に不調をもたらします。
リラックスしているときは副交感神経優位の状態、緊張しているときは交感神経優位の状態です。
・交感神経:活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時
・副交感神経:休息している時、リラックスしている時、眠っている時
この2つの神経は、シーソーのように交互に働きます。交感神経が働いている時は、副交感神経は休んでいる状態、副交感神経が働いている時は、交感神経は休んでいる状態です。
昼間は交感神経が働いて、活動しやすい状態にし、夜間は副交感神経が働いて、昼間の活動での疲労やダメージを回復します。自律神経は、この2本立てで、健康を維持できる仕組みとなっています。
自律神経はからだの免疫システムに関係していて、副交感神経神経が優位なると、このシステムが「知覚過敏」になるので、普段ではあまり出ないアレルギー症状も強く出てしまうのです。
ですからもともと(先天的・後天的に)副交感神経が興奮しやすい体質をもっている人が、花粉症になりやすいのです。
従って「アレルギー体質」とは、「副交感神経が興奮しやすい体質」ということになります。
花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギー症状は副交感神経が活発な時(夜・朝方)に起こりやすく、交感神経の働きが活発な日中には比較的出にくいですよね。
また、お年寄りは花粉症になりにくいとも言われていますが、これは若い時ほど副交感神経が活発に働き、年と共に交感神経の働きが活発になるためなのです。
小児喘息の児童が水泳などで改善するのは、運動で交感神経を刺激して副交感神経の働きすぎを抑えるからです。
昔はアトピー性皮膚炎が小学校に入るぐらいに治っていたケースが多かったのですが、これは成長と共に、徐々に副交感神経の働き過ぎが収まることによります。
つまり、花粉症やアトピー性皮膚炎、喘息等のアレルギーは「自律神経」の問題でもあるのです。
ストレスはこの自律神経のバランスを乱します。ストレスをうまくコントロールして、自律神経を整えれば、花粉症等のアレルギーの症状を改善することも可能なのです。