シラカバ花粉症とは?
シラカバ花粉症は、シラカバの花粉がアレルゲンとなって発症する花粉症です。北海道ではスギ花粉、ヒノキ花粉が原因となる花粉症はほとんどありませんが、そのかわりに、シラカバ花粉症がみられ、患者数は近年徐々に増えています。
シラカバ花粉の飛散時期は4月中旬~6月初旬頃で、主な症状はスギ花粉症と同様に鼻水、くしゃみ、目のかゆみです。
シラカバ花粉症の特徴的な症状として、一部(20~30%)の人で口腔アレルギー症状を起こすことがあります。リンゴやキウイなどの果物を食べると口の中がかゆくなったり腫れたりします。
また、スギ花粉症やヒノキ花粉症と同じく、ある日突然シラカバ花粉症は発症しますので、 花粉症と気付かず、風邪と勘違いすることがあります。
北海道にはスギ・ヒノキはほとんどないためスギ花粉症やヒノキ花粉症はありませんが、5月~6月の期間はシラカバの花粉が多く飛散するためシラカバ花粉症に悩む人は多いです。
シラカバ花粉症の症状

シラカバ花粉症で現れるおもな症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどで、スギ花粉症やヒノキ花粉症等の一般的な花粉症の症状とほとんど変わりません。
風邪と勘違いする人も多いようですが、一般的に花粉症の鼻水はサラサラですし、風邪で目のかゆみが出ることもまれです。
症状が長期にわたって改善しない場合は、風ではなく花粉症の可能性が高くなってきます。イライラや寝不足、集中力の低下などで、勉強や仕事や勉強、家事に支障が出る前に早めに医師の診察を受けましょう。
なお、シラカバ花粉症は、ひどくなると喘息のような咳やたんが出やすいという特徴があります。また、口腔アレルギーを起こす可能性が非常に高いので注意が必要です。
シラカバ花粉症と口腔アレルギー

口腔アレルギー症候群とは、ある種の食物を食べた後に、口内や唇にかゆみや腫れが起こる症状のことです。ほとんどの場合、食べた後1時間以内に、多くは食後15分以内に症状が現れます。
口腔アレルギーが発症したときには、のどがイガイガ、ヒリヒリする、かゆみやツッパリ感が出る、粘膜が赤く腫れるなどの症状が現れます。口内や唇に症状が集中することが多いですが、目がかゆくなったり、鼻水が出たりすることもあります。
症状が重くなると顔が腫れたり、じんましんが出たりすることも。さらに重症化すると、のどの粘膜が腫れて息がしにくくなったり、消化器管が影響を受けて、腹痛や下痢になったりする場合もあります。
もっとも怖いのはアナフィラキシーショックです。アレルギー反応が短時間で全身に現れて体がショック状態に陥ってしまった状態を指し、多臓器に症状が現れて血圧が低下したり、呼吸困難や意識障害が起こったりすることもあり、命の危険にさらされる場合も少なくありません。そのような場合には、一刻も早く医療機関で診てもらうことが大切です。
花粉症患者で口腔アレルギーが引き起こされるのは、花粉症の原因となっている花粉の構造とよく似た構造をもっている食物を摂取することが原因だと考えられています。口腔アレルギーを防ぐためには、原因となる食べ物を摂らないようにすることが一番です。
シラカバ花粉症の人が口腔アレルギーを引き起こしやすい食べ物は次のとおりです。
・バラ科の果物 リンゴ、モモ、ナシ、洋ナシなど
・ナッツ類 ヘーゼルナッツ、クルミ、アーモンドなど
・果物類 キウイ、オレンジ、メロン、ライチなど
その他、香辛料やニンジン、ジャガイモなどでも口腔アレルギーを起こしやすいとされています。
シラカバ花粉症の治療

シラカバ花粉症の治療は、鼻水や目のかゆみを抑える投薬(抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬、点眼薬)や、鼻の粘膜を焼くレーザー手術などによって症状を抑える「対症療法」が一般的です。
投薬療法は、これらの化学伝達物質の放出や作用を妨げる抗アレルギー薬を服用することで、症状の抑制や緩和を目指します。以下のような薬があり、それぞれの症状に合わせていくつかを組み合わせて処方されます。
抗ヒスタミン薬
くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどを引き起こすヒスタミンが受容体と結合するのをブロックする薬です。のどの渇きや眠気などの副作用が軽減された第二世代が現在の主流となっています。抗ロイコトリエン薬
鼻粘膜の腫れの原因となるロイコトリエンが放出されるのを抑える薬です。メディエーター遊離抑制薬
アレルギー症状を引き起こす化学伝達物質の放出を抑える薬です。効果が出るまでに日数を要するので、早めに内服する必要があります。血管収縮薬
粘膜の血管を収縮させて腫れを取り除く点鼻薬です。ステロイド薬
免疫反応を抑制する薬で、症状が強い時に使用されます。副作用は注射が一番強く、内服、外用薬の順に軽くなります。副作用が強いため、アレルギー専門の医療機関での花粉症治療でステロイド注射をするケースは一般的ではありません。
くしゃみ、鼻汁が主体の鼻症状の場合は、抗ヒスタミン薬やメディエーター遊離抑制薬が最適とされ、鼻づまりが主症状である場合は、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬がよく使われます。さらにひどい場合には、点鼻用血管収縮薬や経口ステロイド薬を使用することもあります。
口腔アレルギーを発症した場合は、軽度であれば抗ヒスタミン薬などを服用することで症状は抑えられますが、重症の場合はアドレナリンの自己注射(エピペン)の使用や救急搬送などの緊急対応が必要になります。