パパイン酵素とは?
パパインとは、熱帯アメリカ原産の果物で青パパイアと呼ばれる未熟果実や葉から乳汁を抽出し、乾燥、生成された消化酵素の1つです。この成分は、成熟したパパイアには含まれていません。
パパイン酵素とも呼ばれ、パパインは、一般的にパパイン酵素とも呼ばれますが、加工前の未精製の状態では、正しくはパパインで、主に肉の消化に有効な働きを行うとされています。
パパインという言葉自体が、パパイヤから取れる酵素の意味を含んでるからです。ただ、パパインといっても、それが酵素かどうかわからないので、パパイン酵素と呼ばれることもあります。また、未成熟パパイヤ果実・混濁果汁の場合なら「パパイン」、そして、乾燥させて得た物を「パパイン酵素」と分けて呼ぶこともあります。
パパインが乾燥して、パパイン酵素になると、白または薄いクリーム色の粉末となります。さらに、パパインを精製したものを、精製パパインと呼ぶ場合もあります。この場合も、白または薄いクリーム色の粉末です。
酵素は食物を消化分解するほか、呼吸、運動、思考、そして自然治癒力までも左右する、とても重要な働きを担っています。
生命活動においては、さまざまな化合物による反応が起こっていて、それらの反応のほとんどが、じつは、酵素の仲立ちがあって、はじめて成り立つのです。酵素がなければ人間は生きていけない、とさえ言える存在なのです。
パパインには、タンパク分解酵素「プロテアーゼ」、脂肪分解酵素「リパーゼ」、糖分分解酵素「アミラーゼ」が含まれており、健康な脂肪細胞には影響を与えることなく、蓄積した脂肪細胞を強力に分解する働きがあります。
これらの酵素の働きから、肥満や高脂血症にも有効で、悪玉コレステロールを分解し、それに伴う動脈硬化や糖尿病、脂肪肝の防止にも効果があるとされています。また、溶けて液状化した脂肪は燃焼しやすくなるため、わずかな運動でも効率よく脂肪を減らすことができます。
食物酵素はタンパク質の一種で、熱に弱い物質です。ほとんどの食物酵素は42~48度で活性を失います。しかし、南国のフルーツに含まれる食物酵素の多くは、少し高めの温度でも酵素活性を失いません。例えばキウイの場合においても、40℃から60℃の間でも酵素は活性するそうです。さらに青パパイヤに含まれるパパイン酵素は100℃の温度でも酵素活性を失いません。
パパインにはビタミンCが豊富な上、アミノ酸を効率よく吸収する働きがありますが、カロリーはバナナの約半分と低いため、ダイエットを目的としたサプリメント等にもよく使用されています。
さらにパパインには、この優れたタンパク質分解作用から、肌の汚れを落とす効果や、脱毛にも効果があると考えられているため、石鹸や入浴剤、脱毛剤にも利用されています。
その他、パパインには複数の植物性加水分解酵素を含むため、タンパク・脂肪・糖分を同時に分解し、痛みを起こすヒスタミンを瞬時に分解する効果があることから、鎮痛作用があります。
また、抗菌作用や、腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増殖させる働きにより、腸内環境を改善します。炎症を治める作用もあると言われ、美容面やダイエット効果に合わせて、非常に注目されている成分です。