まったく同じ環境にいても花粉症になる人もいればならない人もいます。
同じ地域に住んでいて、同じ学校に通っていてクラスも同じ、でも私は花粉症で友達は花粉症じゃない…
ありがちなパターンですよね。
この違いは何でしょうか?
その理由は大きく分けて遺伝的要因、食習慣や環境要因、花粉にさらされる量の3つが挙げられます。
遺伝的な体質の違い
花粉症等のアレルギー体質は遺伝の影響を受けると考えられており、家族や近親者にアレルギー体質の人がいる場合は花粉症になりやすくなります。
親のどちらかに花粉症がある場合、子供にも高確率で遺伝するといった統計データがあります。
両親が花粉症になっていない場合に比べて、子供が花粉症になるケースは、
・両親のどちらかに花粉症がある場合は約2倍
・両親のどちらにも花粉症がある場合は約3倍
と、高い確率で花粉症になっているという統計データがあります。
アレルギーのタイプにはⅠ型からⅣ型までのタイプがありますが、その中でⅠ型アレルギーは遺伝性ということがわかっています。
自分が花粉症で子供がいる人は、子供にも花粉症の発症リスクが高いということを自覚して注意を払っておく必要があります。
また、家族の中のだれかが花粉症である場合も、子供も花粉症になる可能性があると思って、花粉の飛散が多い時期は注意をしておくことが大切です。
もし自分が花粉症でない場合でも安心できません。確率は若干低くても子供が花粉症にならないという保証はないからです。逆に子供が花粉症になっても症状に気付きにくかったり対処方法がわからなかったりする場合がありますので気をつけましょう。
きっちりと早めに花粉症対策することで症状を軽減させることも出来ます。
食生活や住環境による違い
高齢者には若年層に比べて花粉症が少ないという統計結果があります。
また1960年代以前は国内に花粉症という病気は認識されていませんでした。
これは、若者と高齢者との免疫力の違いもありますが、当時の日本人の食生活や住環境が現代のそれらと違って、アレルギーとは無縁の体質を作り出していたからであると考えられています。
同じ地域に住んでいても花粉症になる人とならない人がいるのは、遺伝的要素以外にも食生活や住環境の違いにより体質が異なるからなのです。
日本は高度経済成長期を経て、食生活も大幅に変わり、高たんぱく・高脂質の食事が増えたことや、大気汚染・環境汚染等、生活環境も大きく変化したことが、近年これほど花粉症が増えたことの背景にあるのです。
さらにそれに加え、ファーストフード等のバランスの悪い食事や、過度のストレス、喫煙、不規則な生活が重なると、さらに花粉症が悪化するのです。
炭水化物が食事の主体になる発展途上国では、現在でも花粉症等のアレルギー疾患は少ないと言われています。
かつての日本も、穀類や野菜が中心の食生活でしたが、体内の免疫異常を誘発しやすいたんぱく質や脂質の摂取量の増加に伴い、アレルギー疾患が増えてきました。
また、アレルギーの誘因となる食品添加物や加工食品、糖分を多く食べすぎると、炎症物質であるヒスタミンやロイコトリエンの放出が増え、花粉症の症状を悪化させます。
花粉にさらされる量の違い
人間の身体はアレルギーの原因物質(=花粉)を体内に取り込むと抗体を作ります。
この抗体は体内に蓄積され、その量が一定の水準を超えると花粉症の症状が現れます。ですので花粉に多くさらされた人ほど花粉症になりやすいのです。
花粉症はある量(その量は人によって違います)の花粉にさらされると突然発症すると言われているのもこのためです。
花粉にさらされて数年で花粉症を発症する人もいれば、数十年後に発症する人もいます。
中にはいくら花粉を吸いこんでも発症しない人もいます。
人それぞれ千差万別なのです。