バイオフラボノイド(ビタミンP)とは?
バイオフラボノイドは、ビタミンPとも呼ばれるフラボノイド(野菜や果物から発見された水溶性の植物色素)の一種で、水溶性ビタミン様作用物質であり、ポリフェノールの一種です。
フラボノイドは、カテキン、ルチン、イソフラボン、アントシアニンなど知られているものだけで400種類以上あります。
柑橘系の果物に含まれるヘスペリジンや蕎麦に含まれるルチンなどの植物二次代謝産物を総称してバイオフラボノイドと言います。
二次代謝産物とは、生命維持などに直接的には関与していない有機化合物のことで、重大な欠乏症はありませんが、不足すると何らかの健康障害が現れる可能性があります。
バイオフラボノイドは、老化や様々な病気の原因である活性酸素を除去してくれる抗酸化物質です。
正確には、フラボノイドというのは植物に含まれる天然色素成分の総称で、4000種類以上もあると言われており、その中の一部がビタミンPです。
ビタミンPは大きく分けて、フラバノール類やカテキン類、イソフラボン類などにグループ分けされています。
いずれも他のポリフェノール仲間と同じく抗酸化作用に優れており、老化の原因となる活性酸素の発生を抑える働きがあります。
しかし、ビタミンPの最大の働きは、抗酸化物質であるビタミンCのサポートです。
熱や空気に弱く、壊れやすい性質を持つビタミンCを安定させることによってビタミンCの酸化を防ぎ、体内での働きを高め、効果が持続するよう手助けをしています。
そのため、ビタミンCのサプリメントにはビタミンPを配合しているものが多く、食品から摂取する場合にも両方が含まれている食品を食べることでより高い抗酸化力を発揮します。
バイオフラノボイドの種類
フラボノイドは、大きく分類すると、フラボノール類、カテキン類、アントシアニン類、イソフラボン類、フラボン類、フラバノン類などに分かれます。
フラボノール類(ルチン)
フラボノール類に分類されるルチンは、ビタミンPとも呼ばれます。そばやイチジクに多く含まれ、血圧低下作用、血栓予防作用、ビタミンCの吸収促進作用などがあります。カテキン類
カテキン類に含まれるカテキンは、緑茶などの成分として良く知られています。抗酸化作用が強い成分です。抗酸化作用は、幅広い健康効果が期待できます。アントシアニン類
アントシアニン類のアントシアニンは、濃い青紫色をした天然色素でブルーベリー、ビルベリー、カシスなどに含まれています。アントシアニンは、目にたいして効果を発揮し、視力を改善する効果が有るとされています。イソフラボン類
イソフラボン類のイソフラボンは、大豆などのマメ科の植物などに多く含まれて、女性ホルモンの一種であるエストロゲンと似た働きを行います。大豆に含まれるイソフラボンは更に分類するとダイジン、ゲニステインなどに分かれます。イソフラボンは、女性に多い骨そしょう症や更年期障害、乳がん等に効果があるとされます。
フラバノン類
フラバノン類に含まれるヘスペリジンは、フラボノール類のルチンと同様にビタミンPとも呼ばれています。ヘスペリジンは柑橘類の皮や実を包んでいる袋のすじなどに多く含まれ、熱に弱いビタミンCを保護し、その働きを助けます。そのため、ビタミンCの働きの一つコラーゲンの生成を間接的に促進させる効果があります。また、ヘスペリジンの摂取でコラーゲンが作られ、その結果として血管、肌、骨に良い影響を与えます。
フラボノール類(ケルセチン)
フラボノール類のケルセチンは、ルチン、ヘスペリジンと同じくビタミンPとも呼ばれています。ケルセチンは、熱に強く、抗酸化作用、アレルギー抑制作用がります。たまねぎ、緑茶、りんごの皮などに多く含まれています。
バイオフラボノイド(ビタミンP)の働き
バイオフラボノイドの主な働きは、ビタミンCを酸化から守り、その効果を高めることで、それによって、丈夫で健康な毛細血管を維持する働きがあります。
毛細血管は、血液によって運ばれた栄養や酸素を体の各組織に届ける役目をしています。そのため毛細血管の内壁は、栄養や酸素がスムーズに通過できるようにある程度の透過性を保っていなければいけません。
毛細血管の透過性は「適度」であることが重要で、透過性が良すぎると毛細血管が弱くなってしまい、中の栄養素が染み出たり、ウィルスが体の組織に侵入したりしやすくなります。
そうならないよう透過性を調節し、毛細血管を強化するのがバイオフラボノイドです。
バイオフラボノイドは毛細血管を丈夫にすることで出血性の病気や、ウィルスの侵入を防いでくれます。
また、高血圧の改善や脳内出血の予防にも有効です。高血圧は、血管の収縮を行う酸化窒素が活性酸素と結合することによって機能が停止し、血管が縮んだままの状態になることが原因の一つと言われています。
これを防ぐ働きをしているのがビタミンCなのですが、ビタミンCは不安定な栄養素なので、きちんと作用する保証はありません。
そこで、ビタミンCのサポート役でもあるバイオフラボノイドが助けに入ることでビタミンCの力が最大限に発揮され、血圧の上昇を抑えることができるのです。
その他、バイオフラボノイドはコレステロール値を下げる効果があり、バイオフラボノイドの一つであるヘスペリジンについては抗アレルギー作用や発ガン抑制作用が報告されています。
反対にバイオフラボノイドが不足すると、軽くぶつけただけでもアザができやすくなったり、歯茎からの出血、高血圧症や糖尿病を引き起こしたりする恐れがあります。
バイオフラボノイドは、ミカン、レモン、オレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類をはじめ果物や野菜など、様々な植物性食品に含まれています。
細かく分けると、カテキンは緑茶、イソフラボンは大豆製品、アントシアニンはベリー類、タンニンは紅茶、ヘスペリジンは柑橘類、ルチンは蕎麦(そば粉)、ケルセチンはレタスや玉ねぎに多く含まれます。
柑橘類に関しては実の部分よりも皮、特に薄皮が最も豊富です。また、ビタミンPはビタミンCの酸化防止と吸収促進作用があるので両方を豊富に含んでいる果物は最適な食材と言えます。
サプリメントで摂取する際にも、ビタミンPとビタミンCが配合されているものを選びましょう。ビタミンPとビタミンCは共に水溶性なので、摂りすぎても過剰症の心配はありませんが、すぐに尿などと一緒に排出されてしまうため、体内に蓄積することができません。食品から摂取する場合、3~4時間おきに摂取するのが理想的です。